今回は「バイク整備で使うグリスの種類と使い分け」についてご紹介いたします!
- グリスの種類が多すぎて、どれを買えばいいか分からない方
- とりあえず万能グリスを全部に塗っていて不安な方
- ゴム部品や可動部に何を塗ればいいか迷っている方
- ブレーキ周りに使うグリスを間違えたくない方
「グリスって、結局どれも同じじゃないの?」
そう思って1本の万能グリスをどこにでも塗っていると、ゴムが膨らんで固着したり、すぐに流れて効果が切れたりすることがあります。
【結論】グリスは「塗る場所」で選ぶのが正解
まずは結論です!
グリスは1本で何でもこなす物ではなく、塗る場所の条件(荷重・熱・ゴムの有無)で選ぶ消耗品です。
- 可動部全般・汎用 → リチウムグリス(万能・安価)
- 高荷重・金属の摺動部 → モリブデングリス(極圧性)
- ゴム・樹脂・電気接点 → シリコングリス(ゴムを侵さない)
- 長寿命・耐水が欲しい所 → ウレアグリス(耐久・耐熱)
- ブレーキパッドの裏 → ブレーキ専用パッドグリス(高温対応)
迷ったら「ゴムに触れるならシリコン、金属の重い摺動はモリブデン、それ以外はリチウム」と覚えておけば大きく外しません。
まずは使い分けを試してみたい方には、シリコン・万能・モリブデンが少量ずつ入った3種セットが手軽です。
そもそもグリスとは?オイルとの違い

グリスは、オイルに増ちょう剤(とろみを出す成分)を混ぜて半固体状にした潤滑剤です。
オイルのように流れ落ちにくいので、回転や摺動を繰り返す部分にとどまって潤滑を続けてくれます。
リチウムやウレアは、この増ちょう剤の種類を表しています。一方、モリブデングリスは二硫化モリブデンを配合したグリスで、分類の考え方が少し異なります。
ベースのオイルと増ちょう剤、添加剤の組み合わせで、耐熱性や耐水性、得意な用途が変わってきます。
つまりグリス選びは、塗る場所の条件に合ったグリスを選ぶこと、と言えるでしょう。
バイクで使うグリスの種類と特徴

バイク整備でよく使う代表的なグリスを、特徴とあわせて紹介します。
リチウムグリス(万能・シャシーグリス)
もっとも一般的な汎用グリスです。安価で入手しやすく、可動部全般に使えます。
耐熱はおおむね130度前後まで。スタンドの支点やレバーの根元など、特別な条件がない普通の可動部はこれで十分です。
モリブデングリス(高荷重・金属摺動)
二硫化モリブデンを含み、強い圧力がかかる金属同士の摺動に強いグリスです。
スイングアームのピボットやアクスルシャフトなど、重い荷重がかかる金属の摺動部に向いています。黒くて手や服に付くと落ちにくいのが難点です。
シリコングリス(ゴム・樹脂・電気接点)
ゴムや樹脂を侵さないのが最大の特徴です。
ブレーキキャリパーのダストブーツ、各種ゴムシール、防水のためのOリングなどに使えます。電気接点の防錆にも使われます。ゴムに触れる場所は、シリコン系や指定グリスを選ぶのが基本です。
ウレアグリス(長寿命・耐水・耐熱)
耐熱・耐水・耐久のバランスが高く、長寿命が求められる場所に向くグリスです。
ホイールベアリングのような高温・高負荷の部分に多く採用されています(リチウムコンプレックスが使われることもあります)。
ブレーキ専用パッドグリス
ブレーキパッドの裏(鳴き止め)や金属当たり面に使う、高温に耐える専用グリスです。
ブレーキ周辺は非常に高温になるため、一般用途のグリスでは耐熱性が不足し、性能を維持できない場合があります。パッド裏や金属の当たり面には専用品を使用してください。
各タイプの早見表もまとめておきます。
| 種類 | 主な用途 | 特徴 |
|---|---|---|
| リチウム | 可動部全般 | 万能・安価(ゴムは苦手) |
| モリブデン | 高荷重の金属摺動 | 極圧・高荷重(ゴム不可) |
| シリコン | ゴム・樹脂・接点 | ゴム/樹脂OK |
| ウレア | ベアリング等 | 高耐熱・耐水・長寿命 |
| ブレーキ専用 | パッド裏・当たり面 | 高温対応 |
用途別|どこに何のグリスを使う?

実際のバイクの部位ごとに、向いているグリスを整理します。
- サイドスタンド・レバー・ペダルの支点 → リチウム
- クラッチ・チェンジペダルの可動部 → リチウム
- スイングアームピボット・リンク → モリブデンまたはウレア
- ブレーキキャリパーのスライドピン → サービスマニュアル指定またはブレーキ専用グリス
- ブレーキのダストブーツ・ゴムシール → シリコン
- ホイールベアリング → ウレアなど高耐久タイプ
- 電気カプラー・端子の防錆 → シリコン(接点用)
ホイールベアリングのグリスアップや交換時期については、別の記事で詳しくまとめています。
グリスを使うときの注意点
グリス選びで失敗しやすいポイントをまとめます。
種類の違うグリスを同じ場所で混ぜると、性能が落ちることがあります。塗り替えるときは古いグリスをパーツクリーナーで拭き取ってから塗り直すのがおすすめです。
安全に直結するブレーキやホイール周りで少しでも不安があれば、無理をせずショップに任せてください。
よくある質問(FAQ)
Q1. バイクのグリスは万能グリス1本でいい?
普通の可動部だけならリチウム系の万能グリスで足ります。ただしゴム部品やブレーキ周りは専用グリスが必要なので、最低でも数種類は使い分けるのがおすすめです。
Q2. ゴムにモリブデングリスを塗ってもいい?
おすすめしません。石油系グリスはゴムの種類によって膨潤・劣化させる場合があります。ゴムやOリングにはシリコングリスを使ってください。
Q3. シリコングリスとシリコンスプレーは同じ?
成分は近いですが用途が違います。スプレーはサラッとした保護・潤滑向き、グリスはとどまってほしい摺動部やシール向きです。
Q4. ブレーキに普通のグリスを使うとどうなる?
高温で性能を保てなかったり、ゴムを傷めたりすることがあります。ブレーキは専用の高温対応グリスを、決められた場所だけに薄く使ってください。
Q5. グリスの塗りすぎは良くない?
良くありません。はみ出したグリスが砂やホコリを集めて、かえって摩耗を進めます。薄く均一に塗るのがコツです。
Q6. 違う種類のグリスは混ぜてもいい?
おすすめしません。増ちょう剤の種類が違うグリスを混ぜると、ちょう度が変わって性能が落ちることがあります。塗り替えるときは古いグリスを拭き取ってから塗り直してください。
まとめ|グリスは場所で選べば失敗しない

最後までご覧いただきありがとうございました!
グリスは1本で済ませる物ではなく、塗る場所の条件に合わせて選ぶ消耗品です。
可動部全般はリチウム、重い金属摺動はモリブデン、ゴムや接点はシリコン、長寿命が欲しい所はウレア、ブレーキは専用品。この使い分けを覚えれば、部品をムダに傷めることがなくなります。
まず使い分けを試したい方の3種セット:
ブレーキの鳴き止め用のパッドグリス:
全部を一度に揃える必要はありません。自分がよく触る部分から、合ったグリスを少しずつ用意してみてください。
以上、ありがとうございました!
関連記事
いつも見てくれてありがとうございます!
皆さんのクリックが励みになっています!
「ランキングサイトに登録しています」 ぜひ、下記のボタンをポチっと押していただけると嬉しいです!

